幸せな旅立ち。

ライサポ事務局

2009年08月13日 13:29

 ある朝、出勤準備をしているときに鳴った携帯電話。
時間外にかかってくる電話に不吉な予感を感じましたが、案の定私の担当している一人暮らしのKさんが
ご自宅で亡くなられていたとの報告。
 
 ここ最近は毎日のようにヘルパーさんが訪れて、お食事や入浴のお手伝いをしていた方でした。
 ケアマネージャーとして私が関わらせてもらってから約1年近く。
 お酒にタバコにと生活は乱れ、お迎えにきたデイサービスをドタキャンすること数知れず。
 ヘルパーさんの誘いにも言葉巧みに入浴を拒否して、自由気ままな日々を過ごし、酔って転んで入院・・・を繰り返しながらも、いつも結局は自宅に戻ってきて、お家で大好きなお酒とともに過ごすことを何よりも好んだKさんでした。

 そんなKさんのご自宅には、ある写真がさりげなく飾られていました。
 それはKさんが数年前に亡くなられたご主人さんがお元気なときに撮ったご夫婦のツーショット写真。
 そこに写っているKさんのお顔は、私の知っている痩せて白髪交じりのKさんではありませんでした。
 ふっくらとしたお顔、素敵なご主人さんに寄り添って口角をあげて微笑んでいる写真の中のKさんが、幸せいっぱいなのは一目瞭然でした。

 告別式に参列させていただいたとき、私はまたその幸せいっぱいのKさんのお顔に出会いました。
あの写真が遺影として、参列者をお迎えしてくれたのでした。

 きっと人生で最も幸せだった時期の、最高の笑顔で、大好きなご主人さんのもとに旅立たれたのでしょう。

 でも私にとっては、痩せた指でタバコをふかし、なみなみと注いだお酒とともに冗談を言っては笑っているKさんのお顔も大好きでした。今思えば、その笑顔の後にふと寂しさを浮かべていたことがあったように思います。
 きっとこの旅立ちとともに、寂しさも吹き飛ばし、今は心からの笑顔で空から私たちを笑ってみている・・・そんな気がしてなりません。

Kさんに関わったライフサポートてだこの誰もが、Kさんのことが大好きでした。

Kさん、どうぞいつまでも私たちのドタバタを、笑ってみててくださいね。。。

                                           居宅介護支援事業所ライフサポート  
                                           ケアマネージャー    ノダ知加子
 
 
 

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